DeFiやってみた ~Synthetixの概要・使い方を初心者向けに徹底解説~

昨今は gas代 の価格が落ち着いてきたこともあり、 DeFi を触って遊びやすくなりました。

NFTイーサリアム 周りの知識がついてきたら、次はDeFiに挑戦してみるのも楽しいものです。

今回は、イーサリアム上に構築された分散型の「合成資産発行プロトコル」であるSynthetixについて解説していきます。

Synthetixの概要

Synthetixを超簡潔に説明すると、SNXを担保にロックすることで、合成資産(Synths)の発行が可能になるというものです。

synthetix.ioから、上写真ピンク枠の『SYNTHS』をクリックしてみてください。

  • 暗号資産(CRYPTO)
  • 外国為替(FOREX)
  • 株式(EQUITIES)
  • コモディティ(COMMODITY)

といった、多種多様な金融商品の合成資産が提供されています。

また、Synthetix上の合成資産は ERC20 トークン なので、 Uniswap などで取引することも可能です。

ちなみに、「sUSD」など頭文字に『s』が付いていますが、
これはショートポジションのsではなく、synthetic USDを表しています。

Synthetixを触る前に知っておこう

まずSynthetixで一番大切なことは、

  • SNXをロックして生成したときに発行(Mint)した合成資産
  • SNXをアンロックするときに返還(Burn)する合成資産

この2つの量が、必ずしもイコールではないという点です。

具体的にわかりやすくするために、日本円換算で例を出しましょう。

★あなたが10,000円分のSNXを担保としてロックし、5,000円分のsUSDを発行(Mint)したとします。

次の日、1SNXの日本円建て価格が2倍になったとします。
(例えば1SNX=1,000円から、1SNX=2,000円になったとする)

すると、あなたのロックしていたSNXは20,000円分になっているため、
このうちの半分(10,000円分)がロックされたままで、残りの半分(10,000円分)はロックが解除されます。

あなたが希望するのであれば、ロックが解除されたSNXでさらに新たなsUSDを発行することも可能です。

このようにSNXの価格が上がった場合は良いのですが、逆に下がった場合のことを理解しておかなければなりません。

次の日、1SNXの日本円建て価格が1/2倍になったとします。
(例えば1SNX=1,000円から、1SNX=500円になったとする)

すると、あなたのロックしていたSNXは半値の5,000円分になっているため、
★で発行した5,000円分のsUSDをSNXに戻すためには、追加でプラス5,000円分のSNXを用意しなければなりません。

つまりこの現象は、合成資産の発行によって、 暗号資産 の価格に対して何らかのポジションを取ることになるとも言えます。

sUSDを発行した場合は、 ビットコイン(BTC)イーサリアム (ETH)に対してショートポジションを取ることになり、sBTCやsETHでは逆にロングポジションを取ることになります。

このあたりの詳細は、公式のライトペーパーからご確認ください。

もちろん、合成資産の発行者はこのようなリスクを背負って発行するわけですから、

  • 多種多様な金融商品にアクセスできる
  • ステーキングによって手数料報酬がもらえる

など、それなりにリターンもあります。

また、他にもSynthetixのシステムアーキテクチャとして

  • 担保比率
  • 手数料
  • 債務プール

などの重要な概念もあるので、興味のある方は詳細をライトペーパーからご確認ください。

SNXを入手

ではここからは、Synthetixの使い方についてスクショと一緒に解説していきます。

まず、SNXを手に入れる方法は実にたくさんあります。

Uniswap を使って、ETHをswapして入手するのが簡単なので、そちらの方法でも問題ありません。

今回は、Synthetix公式ページからの遷移通りに、SNXを手に入れてみたいと思います。
(SNXを既にお持ちの方は読み飛ばしてください)

また、Uniswapを使って直接sUSDを手に入れることも可能ですが、
今回はあえてSynthetix公式ページから発行(Mint)をおこなっています。

まずは、上写真のピンク枠にある「STAKING」をクリックします。

現時点で私はSNXを持っていないので、どこかにSNXを入手できるところがないか探しました。

私の調査によると、上写真の番号の順に

  • WALLET
  • SYNTHS
  • BUY SNX

が表示されたので、今回はこちらからSNXを入手していきたいと思います。
3の『BUY SNX』をクリックします。

1inch.exchangeのサイトに遷移するので、Walletを接続します。

今回私は

  • Ethereumネットワーク
  • Metamask Wallet

を選択しました。③をクリックすると接続許可のページが表示されるので、④で『接続』を選択します。

SNXに交換したいアセットの項目を選択したら量を記入し、『SWAP Token』をクリックします。

今回私は、0.01ETHをSNXにswapすることにしました。

『Confirm Swap』をクリックしたら、上写真のように最終確認画面に遷移するので、
gas代など問題ないか見て『確認』をクリックします。

トランザクション が承認されたら、無事にSNXが入手できたことを確認してみてください。

合成資産の発行(Mint)

上写真の黄線のように、TRANSFERABLEな(自由に動かせる)SNXが存在するようになりました。

それでは、ここからはSynthetix上の合成資産のうちの一つだある「sUSD」を発行(Mint)していきます。

また冒頭でも述べた通り、Synthetix上の合成資産はERC20トークンなので、
直接Uniswapなどから入手することも可能ですし、その方が簡単でしょう。

今回はあえて、Synthetix公式ページから発行(Mint)をおこなっています。

では、上写真の黄枠の『MINT MAX』をクリックして、以下写真のように進んでいきます。

トランザクションが承認されると、『STAKED』の部分にSNXがロックされるようになりました。

Synthetixでは、SNXを担保にして合成資産を発行することを「ステーキング」と呼ぶため、
『STAKED』の欄に保有SNXが表示されています。

ちなみに、隣の欄にある『BURN』から、sUSDをSNXに戻すことができますよ。
(※執筆時点では、おそらく24時間経たないとBURNできない仕様です)

合成資産同士のトレード

Synthetix(厳密にはSynthetixを搭載したプラットフォーム)では、発行した合成資産同士をトレードすることも可能です。

今回は、金(GOLD)にペッグした合成資産「sXAU」に交換してみようと思います。

ちなみにSynthetixには、

  • 日経平均株価
  • 石油
  • Google株価

と連動したものなど、実に多種多様な合成資産が用意されているので、
興味のある方は一通り目を通してみてください。

Home画面からであれば、「SYNTHS」のページに移動すれば表示されます。

staking.synthetix のページの場合は、『①WALLET』→『②SYNTHS』→『③KWENTA』から遷移できます。

まずは『Connect Wallet』で、お使いのWalletと連携させます。

Wallet連携が完了したら、持っている合成資産の種類と量を入力します。

今回は、sUSDを4.95sUSD分swapしたいと思います。

しかし、残念ながらマーケットが開いていないときにはswapすることができないみたいです。

これは、日経平均株価の場合であれば、平日の9時から15時までしか取引ができない事象と同じです。

執筆時点ではXAUが取引対象時間外だったので、今回はいつでも取引可能なsBTCで進めていきます。

365日24時間、いつでもクリプトは取引できる点は本当に素晴らしいですね。

「Into」の欄をsBTCに変更すると、自動的に交換可能なsBTC量が表示されました。

あとは、黄色枠の『Submit Order』をクリックすれば、合成資産同士のトレードが完了です。

SNXをL2(レイヤー2)に移行できる

長くなるので今回は詳細に触れませんが、Synthetixではgas代の高騰問題の解決策として、
L2 への移行を徐々に進めています。

執筆時点ではMetamaskしかサポートされていないため

  • Metamaskウォレット
  • 秘密鍵をMetamaskにエクスポートできるウォレット

どちらか一方から、デポジットしなければなりません。

L2に移行する方法に関しては後日記事にするかもしれませんが、取り急ぎ興味のある方は、公式の記事よりご確認ください。

また、SynthetixがOptimismのL2ソリューションを選択した理由の詳細は、こちらからご参照ください。

まとめ

この記事では、Synthetixの概要・使い方について、初心者の方向けに徹底解説しました。

DeFiは使い方が難しいことに加えてリスクが付き物なので、自己責任かつ余剰資金で触ってみることを推奨します。

NFTの話題ではありませんが、このようにDeFiについての記事も今後は上げていこうと思っています。

大変励みになりますので、少しでも参考になったという方はTwitterなどで記事を拡散していただけますと、大変嬉しく存じます。

【編集後記】

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