NFTは環境破壊か?最強エコチェーンからの未来予測(前編)

環境負荷への懸念でビットコイン急落

SNSの活用で暗号通貨の相場を押し上げてきたイーロン・マスクが
5月13日にツイートした内容で、ビットコインを始めとする暗号資産相場は急落しました。
「環境負荷を理由として、テスラのビットコインによる決済の受け入れ停止」を発表する内容でした。

2018年頃から電力消費の指標が見える化し、ビットコインのマイニングに関する環境問題が話題になり始めました。

イギリス・ケンブリッジ大学「ビットコイン電力消費指数(CBECI)」
https://cbeci.org/
オランダ・科学者アレックス・デブリース「ビットコインエネルギー消費指数(DBECI)」
https://digiconomist.net/bitcoin-energy-consumption/

指数によるとビットコインのマイニングが消費する電力は、およそ100TWh(テラワット時)。
これは、アルゼンチンやポーランド、パキスタンなど国家1つ分の電力消費量に相当するので環境破壊になっているというのが論旨です。

イーロン・マスクだけでなくビル・ゲイツも、暗号通貨のマイニングは大量の電力を必要とするため、気候変動の問題を悪化させると警告しています。

なぜそんなに大量の電力を必要とするのか?

ビットコインのマイニングはなぜ、そんなに大量の電力を必要とするのか?
それは、ビットコインの根本的な仕組みと存在意義に直結します。
(以下、わかりやすさを優先しているため、不正確な表現が多々あることをご容赦ください。正確性についてのご指摘、歓迎です)

ビットコインはブロックチェーン技術の誕生と表裏一体をなすプロダクトです。
デジタル通貨として「偽造・不正ができない」という根本的な特長を持っています。
それを実現しているのが「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」という仕組みです。

誤解を恐れず分かりやすく言うと
「さぁ、今から一番 電力を無駄遣いした人がコインを獲得できるよ」という競争をすることで
「偽造・不正ができない」という特長を実現しているのです。

「偽造・不正をする」=「楽して儲ける」ということですから
競争の基準が
「いかに楽をしていないか」=「実際にコストをかけているか」ということにしておけば
偽造・不正できない、という理屈になるわけですね。

ということで、お気づきでしょうか。

ビットコイン(とブロックチェーン)の美徳を実現しているのは
そのままズバリ、大量の電力消費なのです。

人類史に残る建造物・ピラミッドの壮大さが
大量の奴隷の労働力という代償によって生み出されたように
稀代の発明・ビットコインの対改ざん性は
大量の電力消費という代償によって生み出されているのです。

では、ビットコインとブロックチェーン、そしてNFTは
環境を破壊する悪魔として滅ぶしかない存在なのでしょうか。

「いいえ。大丈夫です」

こう答えるための道筋が2つあるようです。

北風と太陽のような2つの「答え」

イソップ寓話の「北風と太陽」を思い浮かべてください。
「北風と太陽」が解決すべき課題、実現すべき目的は「旅人の上着を脱がせる」でした。

一方、ここで論じるべき課題、実現すべき目的は「ビットコインとブロックチェーン、そしてNFTが環境破壊をしないようにする」です。

まずは「北風」的アプローチから見ていきましょう。

【100TWh(テラワット時)の電力消費は、環境破壊につながらない】
(どーん!)

これは、オリジナルの「北風」を超えるストロングスタイルでの回答です。
つまり「そうだよ。100Twhの電力使うよ。不可避的にね。でも、環境破壊にはつながらないよ」ということです。
もっと言うと「100Twhの電力消費は、世界のエネルギー供給の持続可能性に影響力は軽微だ」ということのようです。

2019年の世界全体の発電電力量は、27,004TWh、ビットコインが使うのは世界が生み出す電力の0.5%を消費するに
とどまるので問題ない、というロジックです。

これは例えるなら「1回の食事に1万円も消費してたら家計が破産しちゃうよ」との指摘に対して
「ウチ年収22億円だから全然大丈夫!」というロジックですね。
(年間3万円×365日=1095万円、22億円の0.5%に当たる)

個人的にはこのストロングスタイルの論破はキライではないのですが
友人を無くしそうなので、アグレッシブには支持しないスタンスをとります(今は)。

この「北風」スタイルのロジックを進めると、「大事なことにはコストを払わないとね。そしてビットコイン(とブロックチェーン、NFT)は大事なことだよ」という話につながります。
「そもそも大事なこととは一体何なのか?何が一番、大事?」というJ-POPの歌詞のような議論になるので、それぞれの立場によって泥沼化しそうですよね。

そして、続いて「太陽」的アプローチです。

【根本の仕組みを無駄な電力消費競争にしないようにしようね】

言葉からも優しさが溢れていて、友達が増えそうです。

「さぁ、今から一番 電力を無駄遣いした人がコインを獲得できるよ」という競争である
プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」をやめて
別の仕組み「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」に移行しようという回答です。

「#CleanNFT」 というハッシュタグを使い環境問題に対応できているとアピールしている
テゾス(Tezos)というチェーンをはじめ「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」の採用は
暗号資産の世界におけるトレンドとなっています。
ビットコインと双璧を成す一大勢力・イーサリアムも「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」への移行を発表しています。

つまり、時間の問題でブロックチェーンとNFT業界は環境負荷に関する課題を解決するということのようです。
(ビットコインもPoSに移行するのか、実際の運用面においてPoSに別の問題が発生するのではないか などの問題は残ります)

逆に言えば、NFT業界が環境問題に対応するには「一定の時間がかかる」ということです

最強エコチェーンからの未来予測

NFT業界が環境問題に対応するには「一定の時間がかかる」という結論に対して
実は、すでにほとんど全く環境負荷をかけずに稼働している「最強エコチェーン」が存在します。
後編では、その「最強エコチェーン」の正体と特異性、存在意義についてご説明します。

(後編へ続く)